フジコーポレーション株式会社

材木商の知恵袋

「良い材木」と言うと、皆さんが思い浮かべる材木は何でしょうか?

「良い材木」と言うと、皆さんが思い浮かべる材木は何でしょうか?「木曽桧」・「秋田杉」etc…そうです、一般的にブランド材の名前が浮かんでくると思います。節が少なく木目の美しい、木曽桧や秋田杉…やはり良い物です。それでは、弊社が選んで使用している、栃木県産の八溝材はどうでしょうか?この質問をお客様に問いかけてみると、「良いも悪いもイメージ的に何も湧きません。」とおっしゃる方がほとんどです。中には「ブランド材に比べると、少し劣るのでしょう?」と残念な質問を投げ掛けられる場合もあるくらいです。実際はどうなのでしょうか?実は栃木県産八溝材は、宣伝不足の為あまり知られていませんが、関東甲信越地域では、ダントツの良材産出量NO.1材です。
では、材木の良材が取れる理由とは何でしょう?それは、その地域の気候風土や山に大きく関わってきます。例えばお客様に「木はどんな所で育った物が、良い材料になると思いますか?」と質問しますと、ほとんどの方が「寒くて、雪に長い間覆われた地域の材料が、目の詰まった丈夫な木が育つような気がします。」と言う答えが返ってきます。全てが間違いではありませんが、必ずしも当たってはいません。確かに、目の詰まった木材は丈夫に育った良い物ですが、あまりに水分が多い中で育つ木の中には、水を吸い過ぎた「水くい」と呼ばれる現象が見られる事があります。この場合、年輪が黒く変色し、強度的に弱くなりがちです。つまり、良木が育つためには、適した水分・湿度・気温等が重なり、そこに手間暇かけた人間の手が加わって、はじめて良材が生まれてくるわけです。これらに適した良い気候風土を持つ場所の一つが、栃木県の八溝地域です。まだまだ一般的には知られていませんが、栃木県から周辺地域に多くの良材が出荷されている事が、まぎれもない事実を物語っています。